2019年05月30日

「整備士の実態」アンケート

ここ数年で革新的な技術(イノベーション)が次々と世に排出され、私たちの生活をより豊かにしてくれています。
近年では車の「オートドライブ機能」も話題になっています。
操縦者の負担を軽減し、同乗者の快適性をより高めると共に、危機察知に関してとても高い性能を証明しました。
そうした業界内の移り変わりが多い昨今、現場の最前線で働く整備士の方はどのような状況にいるのでしょうか。
そこで今回株式会社レソリューションは、「整備士の実態」に関するアンケートを実施しました。

【調査概要:「整備士の実態」に関するアンケート】
■調査日   :2019年4月17日(水)~ 2019年4月18日(木)
■調査方法 :インターネット調査
■調査人数 :1,076人
■調査対象 :整備士の経験のある20~60代の男女

・整備士になろうとしたきっかけは何ですか?



「整備士になろうとしたきっかけは何ですか?」と質問したところ、「車(その他機械類を含む)が好きだから」-58.6%が最も多く、6割近い方の票が集まりました。次いで「何となく」-16.4%、「親類に整備士がいたから」‐14.4%、「資格が欲しかったから」-9.2%と続きます。
整備士の方の60%以上が好きなことを仕事にして、活躍していることがわかります。

・整備士の繁忙期について



そんな好きなことを仕事にしている中でも、忙しさに目が回りそうといったことはどの業界にも言えることですが、「繁忙期を教えてください」と質問したところ、「1~3月」-34.9%が最も多く、「4~6月」-34.0%とほぼ同数となりました。
理由としては、3月は決算期を迎える会社が多く、自動車メーカーでも営業担当が車をいつも以上に多く売り、そこから車検や12カ月点検の時期が被ることもあります。また、新車の点検等も並行してやらなければならないなど、夏~秋にかけてのシーズンを差し置いて3月の前後は忙しいといった意見がありました。
2月後半~3月の時期は冬タイヤから夏タイヤへの履き替えの依頼が突発的に来ることもあり、さらに忙しくなるそうです。

・給与面に関しては「低い」と感じる方が8割近い結果に



また、そんな忙しく働いている整備士の方に「給与状況を教えてください」という質問をしたところ、「業務内容を考えたら低い」-46.2%という回答が最も多く、次いで「低い」-24.7%、「妥当」-22.6%、「業務内容を考えたら高い」-5.4%、「高い」-0.8%と続きます。
7割以上の方は給与が低いと考えているようですが、好きな整備の仕事から、中には給与アップを求めて営業職への異動を希望する方もいるようです。

・整備士の転職に対する意識



多くの方は給与条件に対して満足していないと上項の調査結果で明らかになりました。
このような状況の中、「転職を意識することはありますか?」と質問したところ、「いつかしようと考えている」-31.7%という回答が最も多く、次いで「考えたことがある」-30.0%、「具体的に考えている」-29.1%、「考えたことは無い」-9.2%と続きます。
転職を意識したことがある方は9割以上いるという、驚くべき結果になりました。今後転職を希望する方の割合も6割近くおり、全体的に高い傾向にあります。
様々な要因はありますが、課題は業界全体に及ぶものであるため、他業種への転職希望が8割以上と、こちらも高い結果になりました。

・業界として描きやすいキャリアプランを示すことが課題に



今回の調査では、技術革新が著しい昨今の自動車業界で、これから自動車整備に関わる方はそうした新しい知識も必要となってきます。しかし、日々の仕事の忙しさから新技術に関する勉強をする時間をとることや、研修を受けるチャンスがないという現状があります。その結果、なかなか役職や給与が上がらず、思い描いていたキャリアプランとずれが生じることもあるでしょう。
これからは最新の技術や知識を身につけられる職場で、いかにして自分の市場価値を高めていくかが重要になる時代になってきているのかもしれません。