2021年03月25日

ブレーキキャリパーとは?基本知識と塗装やオーバーホールのポイントなどを解説

自動車の安全にかかわる重要な部品の1つに、ブレーキ関連の部品が挙げられます。それらのなかでも、ブレーキの性能を大きく左右する部品がブレーキキャリパーです。
この記事では、ブレーキキャリパーの構造やはたらきといった概要をご説明しながら、ブレーキキャリパー塗装で車をおしゃれに装うコツやブレーキキャリパーのオーバーホール(分解修理)についてご紹介します。

ブレーキキャリパーとは?

ブレーキキャリパーとは、車のブレーキ部品の1つです。タイヤのホイール部分を覗き込んで見ると、装着されているのを確認できます。なお、車のブレーキにも複数の種類があり、ブレーキキャリパーが付いているのはそのうち「ディスクブレーキ」という種類のブレーキが採用されている車です。

車が走行してタイヤとホイールが回転すると、ディスクブレーキの「ディスクローター」という部品も一緒に回転します。運転者がブレーキペダルを踏むと、ブレーキパッドという部品がディスクローターを押さえつけてタイヤの回転を抑制し、車を減速させて走行を停めます。
自動車の制動操作を直接行うブレーキパッドの動作をコントロールする部品が、今回ご紹介するブレーキキャリパーです。

ブレーキキャリパーの仕組みや種類

ブレーキキャリパーとは?基本知識と塗装やオーバーホールのポイントなどを解説

現代の乗用車の多くが、このディスクブレーキという仕組みのブレーキを採用しています。ディスクブレーキシステムにおける、ブレーキキャリパーの仕組みについてご紹介します。

ブレーキキャリパーで車が停まる仕組み

ドライバーがブレーキペダルを踏むと、まず初めにブレーキのマスターシリンダーという部品内でブレーキフルードというオイルに油圧がかかります。それがブレーキキャリパーに装着されたピストンに圧力をかけ、同じくブレーキキャリパーに備わるブレーキパッドを押し出します。その動作でブレーキパッドをディスクローターに押し付けて摩擦をかけることにより、ホイールの回転を抑制して車を減速させます。

ブレーキキャリパーの種類

一般的な自動車のブレーキディスクシステムには「フローティングタイプ」というブレーキキャリパーが採用されています。浮動型や片押し型とも呼ばれ、片側にのみブレーキパッドを動かすピストンが備わっているタイプです。

タイヤサイズが大径で高速走行の機械が多い高級車や馬力のあるスポーツカーには、「オポーズドタイプ」のブレーキキャリパーが多く採用されています。対向型とも呼ばれ、両側にピストンがあるタイプです。 オポーズドタイプのブレーキキャリパーでは、両側にあるピストンの数がディスクローターのサイズに応じて異なります。一般的にはキャリパー1つに対してピストンの数は1個ですが、対向型の場合は2個×両側で1輪につき4つのものや、3個×両側で1輪あたり6つのものもあります。

ブレーキキャリパー塗装とは

ブレーキキャリパーとは?基本知識と塗装やオーバーホールのポイントなどを解説

ブレーキキャリパーはホイールから見えるため、ブレーキキャリパーの外装を鮮やかに塗装することが、車好きの方のカスタマイズの定番になっています。

ブレーキキャリパー塗装は足元のおしゃれ

ブレーキキャリパーは外側を塗装しても性能などへの影響がないため、車の足元のおしゃれとして人気があります。しかし、ブレーキ関連の部品は摩擦によって高熱を発生させるため、塗装の際にも耐熱性の塗料やブレーキ専用の塗料を使用しましょう。熱に弱い塗料は、塗っても早いうちに剥がれてしまう可能性が高いためです。

塗装したブレーキキャリパーで車検は通る?

車のカスタマイズをする際は、その手法が車検に対応しているかどうかを確かめる必要があります。ブレーキキャリパーは、塗装しても性能に影響を与えることはないため、車検にも対応しています。

ブレーキキャリパー塗装の方法

一般的な車のブレーキキャリパーは、見た目が素っ気ないという欠点を持っています。このためカッコよく塗装したいと考えている方も多いでしょう。ここでは、自家塗装(DIY)の方法とプロに依頼して塗装してもらう方法、それぞれにかかる費用についてご紹介します。

DIYで塗装する

手先が器用で色塗りなどに慣れている方なら、自分で塗装することも1つの手です。しかし工程は以下のように数多いため、手間はかなりかかるでしょう。

キャリパーの取り外し→キャリパーの洗浄→表面の研磨→下地処理剤の塗装→塗料の塗布→仕上げ剤の塗装→キャリパーの再装着

塗装にかかる費用の目安は下地材・塗料・仕上げ剤と研磨に使用する道具の金額のみですから、慣れている方なら数千円で済みます。また、見えている部分だけ塗れれば良いという場合は、キャリパーは脱着せずホイールだけ外してキャリパーの見える部分を洗浄してとりあえず塗るという方法もあります。

上記の工程や手間を楽しめるメリットはありますが、塗装している間は当然車に乗ることはできないため、不便になるデメリットもあります。また失敗して結局専門業者に依頼することになるケースも考えられますので、自信がない方はプロに依頼したほうが良いでしょう。

専門業者に依頼して塗装する

ブレーキキャリパーの塗装はカスタマイズの手法としてお馴染みのため、車のカスタム専門業者(プロショップ)でも行ってもらえます。プロがブレーキを脱着の上、キャリパー全体をきれいで確実に塗装してくれるため、1度塗れば美しさが長持ちします。

費用は車のホイールサイズやブレーキの構造によって異なりますが、50,000円から100,000円ほどが相場といわれています。メリットは1度塗装すればずっと美しい見た目を楽しめる点、デメリットはやはり施工にそれ相応の高い費用がかかる点でしょう。

ブレーキキャリパーをオーバーホールするタイミング

ブレーキキャリパーとは?基本知識と塗装やオーバーホールのポイントなどを解説

ブレーキは乗るたび頻繁に使用する部品で、かつ車の安全を保つためには決してその性能を損なってはいけないものです。このため自動車の「重要保安部品」として規定されており、車検においても厳しく点検整備を行っています。 ブレーキの劣化によりその性能を低下させないよう、場合によってはオーバーホール(分解修理/交換)を行う必要が出てきます。
ブレーキキャリパーをオーバーホールするタイミングの目安は、以下のようになっています。

ブレーキキャリパーが固着した場合

ブレーキを長く使用すると、キャリパーが固着し動作の状態が悪くなる可能性があります。キャリパーの固着が疑われる場合は、ブレーキの利きを低下させないようオーバーホールを実施しなければなりません。

新車から10万キロ走行した場合

ブレーキキャリパーをオーバーホールする時期の、一般的な目安は新車から10万キロ走行したタイミングといわれています。走行距離が10万キロを上回る直前になったら、ブレーキが不調でなくとも予防の意味合いでオーバーホールを行うと良いでしょう。

ブレーキキャリパーをオーバーホールする方法

ブレーキキャリパーのオーバーホールにも、DIYで行う方法と専門業者に依頼する方法があります。

DIYでブレーキキャリパーをオーバーホールする方法

まず車種に合ったブレーキのオーバーホールキットを用意します。ブレーキキャリパーを取り外し、キャリパー本体とピストン部分の錆びや固着の状態を点検します。必要に応じて洗浄や錆落としを行い、オーバーホールキットに含まれるシール類を交換し再度組み上げます。
費用は基本的にはオーバーホールキットの代金と、ブレーキ分解時に抜いて再充填が必要なブレーキフルードの代金のみです。状況次第ですが、もっとも安く済むケースでは数千円という場合もあります。
メリットは専門業者に依頼するより費用がかからない点ですが、デメリットとしてブレーキを取り外す際は車をジャッキアップさせる必要があり、DIY作業の難易度は決して低くない点が挙げられます。また一旦ブレーキを分解して再装着するにはかなり手間がかかるため、知識ゼロの状態からのDIYは難しいでしょう。

専門業者に依頼してブレーキキャリパーをオーバーホールする方法

専門業者に依頼してブレーキキャリパーのオーバーホールを行う場合のメリットは、プロの確実な診断と作業で間違いなく不調が解消され、今後の不調も予防できる点です。デメリットは費用が高額になる点ですが、車の安全な走行にはブレーキの性能が直結しますので、できればプロに依頼することをおすすめします。
オーバーホールにかかる費用は、オーバーホールキットの部品代とブレーキオイル代で4,000円程度+作業工賃です。一般整備で依頼する場合の作業工賃は15,000円から20,000円ほどが目安ですが、車検整備の際同時に依頼する場合は工賃がその半額ほどになります。

まとめ

ブレーキキャリパーは車の安全を保つための性能に直結する、重要な部品です。このため、オーバーホールの目安である走行10万キロを超えなくとも、2~3万キロ走行するごとに定期的な点検を行いましょう。

メカニックTVでは動画でわかりやすく解説!
https://www.youtube.com/watch?v=N8geMDnihY8