2020年05月01日

危険物取扱者の種類と【乙4】について 合格率や難易度は?

自動車整備工場やメカニックを扱う職場で重宝される危険物取扱者資格は、その名の通り「危険物」を取り扱えるようになる資格です。しかし、「危険物」とは何を指すのか分からないという方も多いでしょう。

本記事では、危険物取扱者の資格について詳しくご紹介します。危険物とは何なのか、資格の種類や取得方法についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

危険物取扱者とは

「危険物取扱者」とは、さまざまな業種で需要が高いことから人気のある資格です。しかし具体的にはよく知らないという方のために、ここでは「危険物」の意味や危険物取扱者についてご紹介します。

「危険物」とは

危険物取扱者の資格において「危険物」とは、以下の6つに分類されたもの。どれも扱い次第で危険が伴い、消防法において火災の危険があると定められている物質です。

  • 第1類:酸化性固体
  • 第2類:可燃性固体
  • 第3類:自然発火性物質および禁水性物質
  • 第4類:引火性液体
  • 第5類:自己反応性物質
  • 第6類:酸化性液体

危険物取扱者とは

上述した危険物を取り扱い、または取扱者の立会人として認められるのが「危険物取扱者」という国家資格です。種類によってできることの範囲は異なりますが、危険物を取り扱えるのは資格保有者だけです。また、危険物に対しての知識や技能を得ることで、危険物の取り扱い作業の保安にも携わることになります。

業種によっては危険物取扱者の資格保有者を配置することが定められているので、常に社会的ニーズの高い資格といっても良いでしょう。

危険物取扱者の資格の種類

危険物取扱者の資格には3つの種類があり、それぞれ特徴や取り扱える危険物、資格受験条件が異なります。以下で、それぞれ確認してください。

甲種

甲種が取り扱える危険物は第1〜6類までと、消防法で定められている危険物すべてが取り扱い可能になります。また、無資格者の立会人になることも可能です。つまり、危険物取扱者の資格の中で最上位といって良いでしょう。

受験するには、以下5つの条件のうち1つ以上を満たすことが必要になります。

  • 大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者
  • 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
  • 乙種危険物取扱者免状の交付後、実務経験が2年以上ある者
  • 4種類(第1類または6類、第2類または4類、第3類、第5類)以上の乙種危険物取扱者免状を有する者
  • 修士・博士の学位を有し、名称の一部に「化学」の字句が含まれる学科または課程を専攻している者

危険物取扱者甲種の免状交付後に6ヵ月以上の実務経験を積めば危険物保安監督者に、甲種危険物取扱者を保持し、かつ危険物保安監督者になれば甲種防火管理者を目指すこともできます。

乙種

乙種の資格は特殊で、第1類〜6類の中から自分で危険物を選んで受験する方式です。そのため取り扱える危険物は、第1類〜6類の中から資格を取得したものだけになります。取り扱える危険物の種類にのみ限定されますが、甲種と同様、免状交付後に6ヵ月以上の実務経験を積めば危険物保安監督者になることができ、無資格者の立ち会いができます。ただし、防火管理者の有資格者としては認められません。

受験資格はなく、年齢や学歴に関わらず受験できるので、甲種の取得を目指すためにまずは乙種を受験する人も多くいます。

丙種

丙種が取り扱えるのは、第4類の中でもガソリン、灯油、軽油、重油などの特定の危険物のみです。乙種や甲種と比較すると取り扱える危険物の幅は少ないですし、この丙種の免状だけで危険物保安監督者や防火管理者の有資格者を目指すこともできません。

ただし乙種と同じく受験資格はなく、年齢や学歴に関係なく受験が可能です。

1番人気?乙種第4類(乙4)とは

危険物取扱者の種類と【乙4】について

危険物取扱者の資格試験を受験する人は多いですが、最も人気なのは「乙4」と呼ばれている乙種第4類です。ここでは乙種第4類がどれほど人気なのか、その人気の理由と共にご紹介します。

試験資格者の割合

危険物取扱者の受験者は例年30万人程度。そのうち乙種第4類の受験者数は約20万人と、約65%を占めています。危険物取扱者の資格は全部で8種類あることを考えると、その割合は圧倒的だということが分かるでしょう。
危険物取扱者の中で甲種は6%、丙種は8%と受験者の割合が少ないのですが、理由としては甲種が実務経験もしくは専門の学科を卒業しているなどの受験条件があることや、丙種が扱える危険物の幅が狭く立会いも出来ないなど活かせる場が限られること、などの要因が考えられます。
乙種の中でも乙4に人気が偏っているのはやはりガソリンなどを含み、社会的に需要の多い資格であるためと言えるでしょう。

乙種第4類(乙4)とは

乙種第4類は、引火性液体を取り扱えるようになる資格。つまり、ガソリンや軽油、重油や灯油などの身近にある危険物を取り扱えるようになる資格です。

身近にある危険物なので試験勉強に取り組みやすいというのも、人気の理由の1つ。また、ガソリンスタンドなど引火性液体を取り扱っている業種がとても多いので、取得しているとさまざまな職場で活躍が期待できる汎用性の高さと、コストパフォーマンスの高さも人気の要因です。

また、乙種第4類を取得すると他乙種試験で免除科目があることも人気に拍車をかけています。詳しい免除科目については、記事内の「試験科目」の項をご覧ください。

乙種第4類(乙4)の活躍の場

引火性液体を取り扱えるようになる乙種第4類は、さまざまな業種で重宝される資格です。主に資格を活用できる職場は、以下の通り。

  • ガソリンスタンド
    必須ではありませんが、ガソリンなどの引火性液体を取り扱っている場所なので資格を持っていると歓迎されます。特にセルフのガソリンスタンドでは、有資格者がいることでモニター越しに「無資格者の立ち会い」をおこなっていることになるので、重宝されます。
  • タンクローリーの運転手
    引火性液体の運搬をおこなうタンクローリーは、乙種第4類の資格保有者が運転手か同乗者である必要があります。ただし人員数の関係から、運転手が資格保有者であることがほとんどです。
  • 石油会社
    石油の製造・管理にも乙種第4類は必要なので、石油会社でも歓迎されます。就職してから取得が義務づけられている会社もあるので、事前に取得しておくと就職が有利に働く可能性が高いでしょう。
  • 自動車整備工場
    整備士などの資格が一般的ですが、それにプラスして乙種第4類の資格を保有していればキャリアアップに繋がるでしょう。整備工場ではガソリンの入った燃料タンクなどを取り扱うので、資格があるだけで信頼を得やすくなります。

乙種第4類の資格を取得しているだけで上記の業種の就職に有利になり、正社員登用や昇給などのチャンスが得られる可能性も高くなります。

乙種第4類(乙4)の試験科目

汎用性が高いといわれている人気の乙種第4類の、試験科目や試験方法は以下の通りです。

試験科目・方法

乙種第4類の資格試験は、すべて五肢択一式のマークシート方式です。出題される科目は、以下の3つとなります。

  • 危険物に関する法令:15問
  • 基礎的な物理学および基礎的な化学:10問
  • 危険物の性質並びに火災予防および消火の方法:10問

試験時間は2時間で、実技試験はありません。なお、乙種の他の類の資格を取得している場合は上記の1と2は免除され、3の10問のみの受験となります。

消防試験研究センターのホームページ上には過去問の一部が載せられていますが、それだけで対策をおこなうのは難しいのが実情です。そこで株式会社レソリューションでは、危険物取扱者乙種第4類のオリジナル問題集をアプリにしてご用意しております。自分の好きな時間に好きな場所で学習できるので、隙間時間を活用して学習が可能。過去に間違えた問題だけを復習することもできるので、苦手分野の克服にも役立ちます。

合格基準、合格率は?

危険物取扱者の種類と【乙4】について

危険物取扱者は、「危険物」を取り扱うだけあって非常に難易度が高い印象を抱いている方も多いでしょう。そこでここでは、受験者数の多い乙種の合格基準や合格率の具体的な数値をご紹介します。

合格基準

危険物取扱者の資格試験を実施している消防試験研究センターのホームページによれば、合格基準は甲種・乙種・丙種のすべての種類において「それぞれの試験科目の成績が60%以上」と記載されています。

つまり、受験者数やライバルの実力に合否が左右されることはなく、試験での得点でのみ合否が判定されるということです。

乙4の合格率(難易度)

人気の乙種第4類の合格率は、以下の通りです。

  合格率
令和1年度 38.3%
平成30年度 38.6%
平成29年度 34.4%
例年30〜40%程度で、数値的にはあまり高くありません。これは受験者数の多さも原因ですが、働きながら勉強して試験に臨んでいる人が多いことも原因の1つと考えられます。つまり、十分な学習時間を確保できないままに試験日を迎えてしまっている人が多いということでもあります。
しかし、勉強時間をしっかり確保し効率良く学習すれば、学習期間は1ヵ月半程度で合格レベルに近づけるでしょう。

乙1、2、3、5、6の合格率

乙4の合格率は例年30%~40%で推移していますが、乙種全体の合格率の平均は45%前後と高くなっています。
理由は

  • 乙1:65%~70%
  • 乙2:70%前後
  • 乙3:65%~70%
  • 乙5:65%~70%
  • 乙6:65%前後
と乙4以外の合格率は60%~70%と高くなっているためです。これは、まず乙種第4類を取得してから他の乙種の取得をする受験者が多いことが挙げられます。乙種第4類を取得していれば免除科目があるため、受験するのは1科目のみとなります。そのため対策する範囲が狭まり、十分な学習ができていると考えられます。

乙種第4類の合格率が30〜40%だったのに対し、それ以外の乙種の合格率は60〜70%と高くなっています。これは、まず乙種第4類を取得してから他の乙種の取得をする受験者が多いことが挙げられます。乙種第4類を取得していれば免除科目があるため、受験するのは1科目のみとなります。そのため対策する範囲が狭まり、十分な学習ができていると考えられます。

合格率に差はありますが、乙種第4類だけが特別難しいわけではありません。

おわりに

危険物取扱者は、消防法で定められた火災のリスクのある物質を取り扱える資格です。一概に「危険物」といっても、日常生活で使用しているガソリンなども含まれるので資格としては身近なものといえるでしょう。特に乙種4類は引火性液体を取り扱えるので、突出して受験者数が多く人気です。しかし、試験の合格率は30〜40%と低めなので、もし働きながら勉強して取得しようと考えている方は、十分な対策をしてから受験する必要があります。

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